2020.09.23
花の手錠と薄桃色の砂糖菓子 高野末次 笑いの角には、福助来たる 落語の神様・古今亭志ん生は、川柳を愛していた。彼が川柳を愛する理 由は、「川柳ぐらい安くて人に迷惑をかけず、腹が減らなくて、こんな いい道楽はない。それに落語にも役立ちますから。第一、『女房の焼く ほど亭主持てもせず』なんて川柳は、『五人廻し』にはこれからすぐに 咄に入れます。だから私は、川柳を覚えておけというのですが、今の若 い者はタロ(金)のことばかり言って、川柳なんか上の空なんです」と、 川柳の師匠である坊野寿山にこ…...