2020.08.15
<終戦の日、日本国内には130カ所の連合軍捕虜収容所があり、岩手県釜石市に746人の捕虜がいた。ここに発表するのは、彼らが引き揚げるまでの1カ月間について克明につづられた未発表のノンフィクションだ。その全文を4回に分けて公開する> 第二次世界大戦中、日本国内の130カ所に連合軍の捕虜収容所があったことは、いま日本の歴史としてどれほど記憶されているだろうか。 日本軍はアジア・太平洋地域で捕らえた約14万人の連合軍捕虜のうち、約36000人を輸送船で日本に送り、国内各地の炭鉱や鉱山、造船所や工場などで働かせていた。捕…...